【所有者不明土地対策】 新制度導入へ3省が法案提出
2018/01/19建設時事
建設メール
所有者不明土地対策の推進に向けた政府の関係閣僚会議が19日に開かれ、国土交通省、法務省、農林水産省が新制度導入に伴い通常国会へ提出する法案の概要を含む取り組み状況を報告した。
新制度のうち、国交省の関係では不明土地について収用を合理化し、公共的事業のための一定期間の利用を可能にする仕組みを導入する。
法務省の関係では、財産管理制度で不在者財産管理人等の選任申立権を市町村長へ付与することや、長期間相続登記未了土地の解消へ所有権の登記名義人になり得る者に対し登記手続きを直接的に促す制度を創設する。
農水省の関係では、所有者不明農地・林地の利活用促進へ、共有者の1人でも、探索・公告手続きを経て農地中間管理機構や市町村に長期間の貸付けや経営・管理の委託を可能にする仕組みを導入する。
法案成立後、国交省では、土地収用法の特例、地域福祉増進事業(仮称)、所有者の探索等に関するガイドラインの整備に加え、地方自治体への支援体制を検討する。法務省は住宅地における共有私道の補修工事等を円滑に実施するための基本的考え方や事例集の公表、周知などを図る。
また、中期的な課題に対しては、国交省の国土審議会で土地所有者の責務、所有者不明土地の発生予防策などを検討するほか、土地所有者情報を円滑に把握し、行政機関相互で共有する仕組みについて各省で検討を進め、方向性を骨太方針2018に反映させる。