〈耳寄り〉 国立大学で36年ぶりに土木系学科を新設
2018/01/23コラム
建設メール
富山大学(富山県富山市)で4月に都市デザイン学部「都市・交通デザイン学科」が新設される。国立大学での土木系学科新設は1982年の宇都宮大学以来36年ぶり。また、理系・文系を問わず国公立大学で唯一「交通」の名が付く学科となる。
新学科は土木工学を基礎とした理工系を主とする学科で、土木工学の基礎技術をはじめ、都市・交通計画、情報・データサイエンス、都市景観・デザイン、防災工学などを総合的に学び、都市や交通の将来を担う技術者を育成する。新学科の1期生となる前期日程・後期日程の願書募集期間は今月31日までで、前期日程入試は大宮会場と名古屋会場でも実施する。定員は40人。
卒業後の進路としては、まちづくりや防災に関する行政機関、調査・測量・建設コンサルタント、シンクタンク、建設会社、建築設計会社、道路・鉄道会社、ICT企業などでの活躍を想定している。
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富山市は公共交通を軸とした先進的なコンパクトシティの実践に加え、政府の環境未来都市、環境モデル都市に選定されるなど、都市政策の先進地でもある。同大学では「富山のように現代の多くの都市が抱える問題に直面しながらも先進的な取り組みで成果を上げている都市でこそ、これからの時代のあるべき都市像を学ぶことができる」と説明。大都市で勉強するよりも、地方都市の方が実践的に学ぶことができると強調する。
今回の富山大学の取り組みにより、東京一極集中を回避し、若者が将来の進路を見据えた上で地方の大学を進学先に選択する流れの一助となることが期待される。