【国政研調査】 高校生と建設会社で重視する就職情報に違い
2018/03/19建設時事
建設メール
国土交通政策研究所(国政研)は、国土交通分野の将来見通しと人材戦略に関する調査研究の内容を公表した。建設会社の人材採用育成活動と高校生の就職行動の関係を分析したもので、生徒が重視している情報と会社が提供している情報との間の一部でずれがあることが分かった。
今回の調査では、工業高校生が就職の意思決定に際して重視する情報は、仕事内容、会社の評判、給与・休日・勤務時間などの処遇、職場の雰囲気が多かった。一方、建設会社が考える自社のアピールポイントは、仕事内容・職種、施工力・技術力、会社の歴史・実績などに偏っている。
また、就職活動に際して知りたい情報が十分に得られたと考える生徒は建設業に対して良い印象を持つ割合が高く、インターンシップや現場見学で建設業に触れる機会があった生徒にも同じ傾向が見られた。国政研では「生徒が求める情報を適切に提供するとともに、実体験に基づく就職の意思決定ができるよう、また仕事の魅力を伝えられるように官民挙げて、さらに尽力すべき」としている。さらに、新卒者を計画通りに採用できている企業は、研修を積極的に実施している傾向にあるため、「組織的な人材育成を行うことが企業経営者に求められている」と指摘した。
なお、アンケート調査結果を基に分析すると、仕事内容や教育・研修に関する情報を得るほど就職先として建設業を選択する確立が高くなり、それ以外の業種を選択する確率が低くなる傾向にあることも明らかになった。