【働き方改革】 補助金交付の民間工事で繰越制度活用も
2018/03/23建設時事
建設メール
2月20日に開かれた建設業の働き方改革に関する関係省庁連絡会議における野上浩太郎内閣官房副長官の指示を受け、国土交通省は関係省庁や地方自治体、民間発注者などに対して週休2日工事の推進をはじめとする長時間労働の是正に向けた取り組みの徹底を要請した。補助金等の交付を受けて発注される民間工事への対応にも言及し、公共工事と同様に適正な工期を確保する観点から迅速な交付決定に加えて、やむを得ず年度内に支出が終わらないことが見込まれる場合は繰越制度を適切に活用するなど、年度内完成に固執するが故に建設現場の長時間労働を生じさせることがないよう適切な措置を求めた。
週休2日に関しては、特記仕様書等の契約図書に建設現場の週休2日に取り組む旨を明記するなど、週休2日工事の導入を進めるとともに、導入済みの場合は件数の大幅な拡大を要請。実施に当たっては労務費、社会保険の法定福利費、安全衛生経費、建設業退職金共済制度に基づく事業主負担額などの必要経費にしわ寄せが生じないよう、実態に即した経費の見直しを図ることを求めた。また、国交省は今回、4月から進める現場閉所の状況に応じて所定の経費を補正する新たな取り組みを紹介するとともに、週休2日の定義は「対象期間において4週8休以上の現場閉所を行ったと認められる状態」とすることを示した。
他にも施工時期等の平準化に向けた計画的な事業執行やICTの活用等による生産性向上の推進、適正な価格による工事契約、就労環境の改善について、国交省発注工事の取り組みを参考に示しながら、適切な実施を求めている。
なお、今回の要請通知は、関係省庁を通じて所管する独立行政法人や特殊法人、民間発注者団体などへ周知を行うほか、総務省と連名で地方自治体にも要請しており、公共・民間工事の主要な発注者が対象となる。