【働き方改革】 石井国交相が建設業団体へ積極的な取り組み要請
2018/03/28業界動向
建設メール
石井啓一国土交通大臣は27日、日本建設業連合会(日建連)、全国建設業協会(全建)、全国中小建設業協会(全中建)、建設産業専門団体連合会(建専連)の建設業4団体の幹部と意見交換会を開催し、建設業の働き方改革をさらに進めるための協力を直接要請した。石井大臣は今月20日に策定した『建設業働き方改革加速化プログラム』を、「建設業の働き方改革への私どもの本気度を示すもの」と紹介した上で、①長時間労働の是正②給与・社会保険③生産性の向上―の3分野でパッケージ化した新たな施策の実現へ、「建設業が働き方改革の取り組みにおける先進産業であると社会から評価されるよう積極的な取り組みをお願いしたい」と協力を求めた。
長時間労働是正では、時間外労働の段階的削減や週休2日確保に向けた計画策定を要請したほか、公共・民間工事を問わず担い手の給与引き上げを目に見える形で進め、週休2日工事における補正措置も含めて現場の技能者まで給与や法定福利費が確実に行き渡るよう、さらに思い切った具体的な取り組みの実施を求めた。また、積算基準の改定を踏まて、多くの中小建設企業が積極的にICT技術の活用等による生産性向上へ取り組むことにも期待を寄せた。
日建連の山内隆司会長は、週休2日の実現と建設キャリアアップシステムの普及・推進を2018年度の二大事業として「業界の命運を懸けて精力的に取り組む」と表明し、統一土曜閉所運動や建設技能者の賃金水準改善についての周知要請などの働き方改革の推進を日建連全体で取り組む姿勢を示した。
全建の近藤晴貞会長は、働き方改革をさらに前進させるため、「休日、月1+(ツキイチプラス)」の運動と社会保険加入対策、公共工事設計労務単価の改定を受けた取り組み、会員企業の生産性向上支援を進めるとした。
全中建の豊田剛会長は、「中小企業においては地方自治体への浸透が重要」とし、国から自治体への働き掛けを要望した。
建専連の才賀清二郎会長は、「賃金上昇の実感がないのが現状」としながらも、国の取り組みに協力していく考えを伝えた。
最後に石井大臣は、スピード感を持ってプログラムを実行していくと述べ、今回の要請を受けた各団体の取り組みや国交省の施策の進捗状況を今夏にも共有し、「さらなる具体的な展開や強化につなげたい」と話した。