【インフラメンテナンス】 3割の自治体は今後の点検が困難
2018/03/28建設時事
建設メール
地方自治体がインフラの維持管理・更新を実施するに当たり、今後の点検の見通しについて今後も実施可能と考える自治体が6割近くあるものの、困難とする自治体は3割弱存在することが、国土交通省のアンケート調査で明らかになった。施設数の多さや職員および予算の不足、職員の能力不足により判断が難しいことを、見通しが立たない理由に挙げる例が目立つ。
点検実施上の課題では、予算の不足や頻度・内容面での負担が大きいことを多くの自治体が課題としており、職員が点検する場合、定められた対象や内容について十分に点検ができているか、不安を持つ自治体も多いようだ。委託する場合は予算不足を課題とする自治体が目立ち、予算化のための点検の法定化を求める声もある。委託業者や指定管理者の点検が十分に行われているのか不安という指摘も見られた。
補修・修繕に関しては、計画的な実施に不安を感じている自治体が多数で、維持管理・更新予算の確保が不透明であることや、職員の不足を理由とする自治体が多い。将来的な維持管理・更新費の見通しを把握できていないため、今後の見通しを持つことができないという回答も多く寄せられている。さらに、半数程度の自治体が人材育成・確保ができていないと回答し、職員の年齢構成に隔たりがあって技術承継が困難とする自治体も多数ある。
集約・再編等に対しては、検討がまだ十分に進んでおらず、後押しするための総合的な施策展開が今後必要と考えられる。
国交省が設置した社会資本メンテナンス戦略小委員会では、アンケート調査の結果等を踏まえて6月にも緊急的に取り組む施策をまとめ、年内には今後5年間で取り組むべき新たな施策を提言する。また、維持管理・更新費用の新たな推計を、できるだけ早急に実施する見通しだ。