【事例集】 自治体向けに復旧・復興の取り組み紹介
2018/03/29建設時事
建設メール
国土交通省は、頻発する災害に対して地域の実情や工事の課題に対応した工夫により円滑な施工を確保している地方自治体の復旧・復興事業の取り組みをまとめた事例集を作成した。事例集では国交省が2014年度から進めている多様な入札契約方式モデル事業の支援内容や相談窓口などで収集した事例の中から、全国の自治体でも参考になる取り組みを紹介している。国交省では事例集をホームページで公表するとともに、積極的な活用を呼び掛けていく。
施工確保対策のうち、16年に相次いだ台風の被害を受けた北海道の事例では災害発生直後や進捗に伴い明らかになった課題に対して地元建設業協会と連携を密にしながら段階的な対策を講じ、入札の不調不落を極力回避することにつながった。
岩手県は、16年の台風10号被害に対して、東日本大震災発生以降に適用した対策に加えて、被災状況を反映した余裕期間の設定や宿舎設置費用の導入などの追加対策を実施することで、円滑な施工確保を実現。岩手県岩泉町も同じ台風被害の対応に当たり、復旧工事が本格化する前にCM方式を導入して推進体制を構築するとともに、発注ロットの大型化や発注計画の長期見通しなどを通じ復旧工事を円滑に進めた。
また、熊本地震の災害復旧事業の関係では、国による事業代行制度の活用に加え、復興JV制度の導入や設計変更協議会の設置など段階的な対策を実施した熊本県の事例を紹介している。
事例集では東日本大震災に対する取り組みも参考に掲載されている。