〈耳寄り〉 1級建築士の合格者は半数以上が学生時代に決意
2018/04/04コラム
建設メール
1級建築士試験合格者の半数以上が学生時代に1級建築士になると決意していたことが、総合資格学院を運営する総合資格(東京都新宿区)が行ったアンケート調査で明らかになった。本年1月に都内の同学院に通う1級建築士試験の合格者が調査対象。決意した時期は大学生・短大生が26・2%で最多。高校生以下も20・3%と多く、専門学校生と大学院生を加えると56・9%に達しており、学生時代から自身の将来像を強く意識していることが分かった。
建築業界に向いている性格は1位が「根気強さ」で、以下は「好奇心旺盛」「社交的」「責任感が強い」と続いた。多くの人と関わりながら、プロジェクト全体を調整する力が求められることが、アンケート結果から浮かび上がっている。
1級建築士が選ぶ、一番好きな東京の近代建築は赤レンガ造りが印象的な「東京駅丸の内駅舎」で、2位の「東京都庭園美術館」に大差を付けて1位に輝いた。また、現場監督をやってほしい有名人は1位が松岡修造さん、2位が長谷部誠さん、3位がマツコ・デラックスさんとなった。明るく前向きに現場を引っ張ってくれそうな現場監督像が好まれているようだ。
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難関資格として知られる1級建築士試験合格者の素顔が浮かび上がるアンケート調査は、今回が2回目の試み。
建設現場の深刻な人材不足の解消に必要だと思うことの質問では、1位が「労働環境の改善」、2位が「賃金引き上げ」、3位が「業界イメージの改善」となり、上位は前回と変わらなかった。
1級建築士は受験資格に一定期間の実務経験が必要となるため、大半は日々の業務に追われる中でも「すき間時間」を有効活用して勉強している。それだけに「労働環境の改善」を問題視する意見が多いということは、現場の実態を表しているとも言え、課題解決に向けたヒントが隠れている可能性が大いにありそうだ。