【インフラ用ロボット】 国交省と経産省連携でAI技術開発に重点
2018/05/23建設時事
建設メール
国土交通省と経済産業省による次世代社会インフラ用ロボットの開発・導入検討会が23日に開かれ、両省が引き続き連携して技術開発と現場検証を踏まえた試行・導入を進めることを確認した。今後はAI(人工知能)による自動損傷検出技術の開発に重点的に取り組むとともに、福島ロボットテストフィールド(福島県南相馬市)を活用した開発ロボットの基盤的性能評価を進めるなど現場でのロボット活用促進に向けた環境を整備する。
次世代社会インフラ用ロボットに関しては災害分野では現場での活用促進を図っており、維持管理分野では試行的導入などが進んでいる。
国交省ではインフラの維持管理に当たり、ロボットによる人の点検作業の効率化から変状を自動抽出しAIによる人の「判断」を効率化する支援が生産性向上の鍵と考えている。今後は土木技術者の正しい判断を蓄積した「教師データ」を公開し、民間のAI開発を促すほか、技術開発成果を自由に活用できるAI等開発支援プラットフォームを整備する考え。経産省はインフラ事業におけるAI研究の成果や技術を提供する。
インフラ点検、災害対応、物流などの分野で使用されるロボット・ドローンの実験場となる福島ロボットテストフィールドは本年度から順次開所を予定する。来年度以降には試験用橋梁、試験用トンネルなど現場の模擬環境を活用し、コンクリートのひび割れ、剥離・鉄筋露出を検出する性能評価を行う見通しだ。
検討会で国交省総合政策局の由木文彦局長は「インフラ分野での生産性向上を図るためには、より実用性かつ効率の良いAIを導入したロボットなどを活用していきたい」、経産省製造産業局の多田明弘局長は「インフラ点検分野でロボットを実装するためには開発段階と普及段階の好循環が必要」と述べ、新技術を使ったロボットの活用が進むように両省が協力していく姿勢を見せた。