【官製談合防止】 小規模自治体では未然防止対策進まず
2018/06/20建設時事
建設メール
公正取引委員会は昨年度に行った官製談合防止に向けた発注機関の取り組みに関する実態調査報告書をまとめた。国、地方自治体、政府出資法人が対象で、地方自治体に関しては今回初めて全団体に対して調査を実施した。その結果、人口5万人未満の小規模な自治体では全体的に未然防止の取り組みが進んでいない実態が明らかになり、外部からの働きかけに対する対応の実施割合は9%、発注担当向けマニュアルの作成割合は6・1%にとどまった。職員が官製談合事件に関わることがないよう特に注意すべき事項等を整理したマニュアルの作成割合は都道府県・政令市でも半数に満たなかった。
発注担当職員が長期間同一ポストに配置されることを避ける人事上の配慮に関しては国の機関や都道府県・政令市で7割を超えているのに対し、人口5万人未満の自治体は2割程度だった。
また設計、積算、業者選定、監督、検査等の発注関係事務を外部に委託している機関では、外部委託先に対する未然防止対策が十分に行われていないことも分かった。未然防止の取り組みを行っている発注機関でも契約書での秘密情報の漏えい禁止の記載にとどまっている事例が多かった。
公正取引委員会では未然防止の取り組みを紹介するとともに、研修などで使用可能な支援ツールを作成するなど、法令順守活動の支援に今後も積極的に取り組む意向だ。
なお調査に回答した1768機関のうち、過去10年間に官製談合事件が発生したことがあると回答したのは81機関だった。