【7月豪雨】 土砂災害は238件発生/インフラの迅速復旧図る
2018/07/09建設時事
建設メール
西日本や東海地方を中心に記録的な大雨が降った「平成30年7月豪雨」により、河川の決壊や土砂災害、道路の通行止め、鉄道の運休が相次ぐなど各地で甚大な被害が生じている。国土交通省では台風7号の対応も含めて9日5時30分までにテックフォースとして延べ922人の職員を派遣し、緊急排水や河川・道路等の被災状況調査、排水ポンプ車・照明車等の災害対策用資機材の派遣、防災ヘリによる上空からの被災状況調査、本省災害査定官等による災害緊急調査などを進めている。
国交省が9日午前に開いた非常災害対策本部会議で石井啓一大臣は被災者の暮らしの安全・安心を確保し、被災地の経済活動の早急な回復を図るため、インフラの迅速な復旧、特に交通インフラの機能を早急に回復して物流確保に努めることや、テックフォースに対して大規模な浸水の早期解消とともに被災状況調査の実施など被災自治体が速やかに本格的な災害復旧事業に着手できるよう支援することを指示した。
国交省によると国管理河川では高梁川水系小田川で高馬川(岡山県管理)および小田川左岸の決壊により、岡山県倉敷市で浸水面積約1100ha、約5000戸の家屋浸水があった。決壊した2カ所では緊急対策を進めている。肱川水系肱川(愛媛県大洲市)や淀川水系桂川(京都府京都市)では浸水被害が解消した。県管理河川では広島県の沼田川水系沼田川の複数箇所で氾濫、岡山県の旭川水系砂川では堤防が決壊し約700haが浸水する被害などが発生している。
土砂災害は1道2府25県で238件の被害が発生した。内訳は土石流等が31件、地すべりが10件、がけ崩れが197件となる。
被災による道路関係の通行止めは高速道路が12路線13区間、直轄国道が12路線51区間、補助国道は55路線134区間、都道府県・政令市道は665区間で発生した。
鉄道は大雨の影響により13事業者37路線で運転を休止。うち11事業者26路線では施設被害が発生し、鉄道事業者において現地調査・復旧作業を進めている。JR西日本の芸備線では約83mの橋梁が流失し、山陽線では盛土の崩壊と流失壊、JR東海の高山線では斜面崩壊による線路内への土砂流入、WILLER TRAINSの宮津線で道床流失などの大きな被害も生じている。