【国交省概算要求】 公共事業費は前年度比19%増額求める
2018/08/29建設時事
建設メール
国土交通省の2019年度予算概算要求内容が29日に明らかとなり、一般会計は国費総額で対前年度当初比19%増となる6兆9070億円を盛り込んだ=添付のPDF参照。このうち特別枠として要求する「新しい日本のための優先課題推進枠」が1兆5796億円を占める。公共事業関係費は同比19%増の6兆1736億円を求めた。
19年度予算では▽被災地の復旧・復興▽国民の安全・安心の確保▽力強く持続的な経済成長の実現▽豊かな暮らしの礎となる地域づくり―の4つの柱で予算要求を実施。
基本的な考え方では、社会資本の整備は既存施設の計画的な維持管理・更新を図るとともに、中長期的な視点に立って将来の成長の基盤となり、安全で豊かな国民生活の実現につながる波及効果の大きな政策・プロジェクトを全国各地で戦略的に展開していく必要があると説明。ストック効果を重視した公共投資の推進により経済成長を図り、経済再生と財政健全化の双方を実現するためには、必要な公共事業予算の安定的・持続的な確保が不可欠としている。
消費税率引き上げに伴う需要変動への対応については予算編成過程で適切に検討する見通しだ。
主な要求額では「水防災意識社会」の再構築に向けた水害対策の推進に5273億円、災害時における人流・物流の確保に4156億円、将来を見据えたインフラ老朽対策の推進に5440億円、踏切や通学路等における交通安全対策の推進に1568億円、防災・安全交付金に1兆3431億円、効率的な物流ネットワークの強化に4374億円、社会資本整備総合交付金に1兆663億円、オープンイノベーション等によるi-Constructionの推進に23億円、空き家、空き地、所有者不明土地等の有効活用の推進に48億円などを盛った。
公共事業の効率的・円滑な実施に向けては、改正品確法の趣旨を踏まえた適正価格での契約や地域企業の活用に配慮しつつ適切な規模での発注に取り組む。また中長期的な担い手の確保・育成に向けて国庫債務負担行為による施工時期の平準化、新技術導入やICT等の活用によるi-Constructionの推進、適正な工期設定等による週休2日の実現など働き方改革も進める。さらに地域活性化にもつながる多様なPPP/PFI推進により民間資金やノウハウを積極的に活用する。