【国土交通省就任インタビュー】 大臣官房技術調査課長 岡村次郎氏「活気ある建設業界に」
2018/09/05インタビュー
建設メール
国土交通省大臣官房技術調査課長に就任した岡村次郎氏は「地方整備局の現場力、技術力をしっかり引き出せるような環境を整えていく。そして建設業界全体が元気で楽しく明るい、活気のある業界になるようにしていきたい」と語る。
建設現場の生産性向上の取り組みについては「日本が変わっていく中で建設業も建設現場も変わっていかなければいけない。その中心を担うのが新技術の導入で、人力で掘っていた世界から機械土工に変わっていくという現場が変化するタイミングだと思う。省人化や工期を短くするような新技術の開発を積極的に行う必要がある。直轄の先進的な取り組みを後押しするとともに、自治体など他の発注者にも取り組みを見ていただき、受注者とも連携して自治体等の現場にも普及させたい」との姿勢を見せる。
公共工事品確法など担い手3法のさらなる浸透や今後の公共工事の発注、入札契約制度に対しては「直轄の契約事務の取り組みをどんどん見ていただく。変えてはいけないという誤解があるが、変えるのはいけないことではない。変えるべきだし変えることは全く問題ないということを根付かせたい。一朝一夕にできるものではないので、少しずつ見せていって自治体の契約担当の方にも理解していただけるようにしたい」との考えを示す。
また「地域の担い手である建設業が引き続き活躍できるような環境を、不断の努力によって整えていかなければならないと思う。その中で、もう少し改善すべきことがあれば取り組んでいきたい。例えば災害復旧では一定の制約はあるが、その制約の中で適切に契約をすればよい。緊急を要するものは随意契約ができるのに、時間をかけて一般競争で発注しなければいけないと考えてしまうと、行政や住民のニーズに対応できない。直轄の職員では当たり前の感覚が、なかなか当たり前の感覚ではない世界もある。それを標準化、習慣化していきたい」と話した。
【略歴】おかむら・じろう
1990年東大大学院修了、建設省採用。国交省水管理・国土保全局治水課河川整備調整官、同課事業監理室長、中部地方整備局企画部長、水管理・国土保全局河川計画課長などを経て本年7月31日付で現職。52歳。奈良県出身。