【多能工化】 モデル事業支援対象の9件決まる
2018/09/05建設時事
建設メール
国土交通省は中小・中堅建設企業で構成するグループなどによる多能工育成・活用の取り組みを支援する「多能工化モデル事業」の対象となる9案件を選定した。生産性向上につながる多能工化に向けたモデル性の高い取り組みに対して1件当たり上限300万円で必要経費の一部を支援し、成果を先進事例として横展開していく。
主な支援対象案件のうち、東信建設アカデミー(長野県)は、ドローンパイロット養成に加え、ICTを活用した測量、施工計画、施工、完成検査の流れの中で、生産性向上のための技能労働者多能工育成プログラムを計画・策定していく。
マンション計画修繕施工協会(東京都)は、マンション修繕工事に特化した技能工教育プログラムを確立するため、塗装改修工、防水改修工、シーリング改修工など複数の技能を身に付けることを目指す。富士教育訓練センターと連携し、カリキュラム、テキスト、各種教材の製作を行う。
砂子組(北海道)が事業管理者となる北海道土木技術開発連携会は、土木測量の情報化施工につながる変位計とGPSの連携ソフトを開発するとともに同ソフトを取り入れた重機を使いこなせるオペレーターの育成など多能工化に取り組む。また解体工事業許可取得に向け、連携する3社間で技能工の実践指導や交流を実施する。
ゼムケンサービス(福岡県)が事業管理者となる女性多能工育成講座準備室は、建設業に興味のある女性を対象として動画教材や講座などを企画するほか、連携企業がインターンシップ先となり女性受講生を受け入れる仕組みを作る。育成モデルは多能工スキルを5段階に分け、誰にでもできる作業から次第に高度な内容とする。
他の支援対象案件は▽苫小牧地域の多能工化連携体(事業管理者は日栄工業、北海道)▽住宅壁面計測からサイディング加工・施工までの多能工化システム(事業管理者はヤマガタヤ、愛知県)▽建設技術に特化した動画配信サービスによる多能工育成(事業管理者は竹延、大阪府)▽左官⇔タイル張り多能工育成15カ年事業(事業管理者は長谷川、京都府)▽福岡県防水外壁工事業協同組合(福岡県)―となる。