【働き方改革】 専門工事共同施工制度の創設へ実態調査
2018/09/07建設時事
建設メール
国土交通省は建設技術者の働き方改革推進に向けた具体的な取り組みに乗り出す。「専門工事共同施工制度(仮称)」を創設するための施工体制の実態調査・分析検討や現場技術者の配置合理化に向けた事例調査・検討、担い手確保のための若手技術者の活用方策を検討する考えで、2019年度予算概算要求で事業費3300万円を求めた。
専門工事共同施工制度は、繁忙期でもなるべく重層化しない仕組みを構築する手法の一つとして、一次下請けなど上位下請け企業の主任技術者が、下位下請け企業の主任技術者の業務範囲を担当することで下位下請け企業の主任技術者の配置を不要にする取り組み。一定の限られた工種で複数の専門工事企業が共同で施工する場合に選択肢として用意する。
現場技術者の配置合理化に関しては、ICT技術の進展や工法のシステム化が急速に進む中、複数の現場を同時に担当することが以前よりも容易になっているため、監理技術者などが専任で行うべき施工管理等の業務を合理化する可能性を探る。具体的には監理技術者の職務である施工計画の作成、工程管理などで、明らかに支障が生じない建設工事について一定の範囲内で兼務を認める仕組みを検討していく。
若手技術者の活用方策では、一定の実務経験と知識を有する若手技術者について監理技術者の補佐など施工体制における明確な立場を与えることを検討する。監理技術者を補佐する者が専任配置されている場合には、一定の条件下で当該工事の監理技術者は他の工事等との兼務を認める仕組みを検討するとともに、研修等への参加や休暇の取得が積極的に行えるような環境整備も図る。