【国交省19年度概算要求③】 〈鉄道局〉駅のバリアフリー化、耐震対策を
2018/09/07建設時事
建設メール
国土交通省鉄道局の2019年度予算概算要求では、鉄道駅のバリアフリー化や耐震・豪雨対策などを進めるため、対前年度当初比1・06倍となる1107億4000万円の国費を要求した。
主な施策のうち整備新幹線に関しては北海道、北陸、九州の各新幹線で着実な整備を図る。また幹線鉄道ネットワークの在り方に関する調査も実施する。
鉄道駅のバリアフリー化では、エレベーター、ホームドアや内方線付き点状ブロック、障害者対応型トイレの設置などを進める。次世代ステーション創造事業では、地方自治体、鉄道事業者、地方運輸局等による協議会で策定した整備計画に基づき、駅改良と併せて行うバリアフリー施設や駅空間高度化機能施設の整備を支援する。
地域鉄道の安全性向上では、レールや枕木の更新、信号保安設備の整備などの支援を実施。
安全・安心の確保では、主要駅や橋梁等の耐震補強の推進とともに、激甚化する豪雨災害へ適切に対応するため河川に架かる鉄道橋梁の橋脚補強などに対して支援する。
◎〈港湾局〉高潮被害低減対策で支援制度
国土交通省港湾局の2019年度予算概算要求では、港湾施設の防災・減災対策などの実施へ、対前年度当初比1・19倍となる国費2955億円を要求している。
国民の安全・安心確保では、大規模災害に対する港湾の防災・減災対策の推進や津波・高潮・侵食被害に備えた港湾海岸の整備、海岸保全施設の耐震・液状化対策と「粘り強い構造」の導入、港湾施設・海岸保全施設の老朽化対策、海岸保全施設の長寿命化対策促進と高度化などを進める。
主な新規制度では、港湾の堤外地における高潮被害低減対策への支援制度を創設する。洋上風力発電の促進では一般海域における洋上風力発電のエリア指定や海域の利用調整に関する調査を行うとともに、建設および維持管理の基地となる港湾の機能を強化する。また港湾を取り巻く全ての諸手続き・取引について電子化・データ連携を標準とする事業環境の形成にも乗り出す。
◎〈航空局〉首都圏空港の機能強化図る
国土交通省航空局の2019年度予算概算要求では、首都圏空港の機能強化などを図るため、空港整備勘定の歳出で4194億円を要求している。
主要施策では東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催とその先を見据え、首都圏空港の機能強化に向けた羽田空港の飛行経路見直しなどにより、羽田と成田の空港処理能力を約8万回に拡大する。
また国際競争力の強化等に必要となる施設の整備を引き続き重点的に行う。羽田空港では飛行経路見直しに必要な航空保安施設、誘導路等の施設整備、環境・落下物対策、駐機場の整備、滑走路等の耐震対策および基本施設・航空保安施設等の老朽化に伴う更新・改良を実施する。成田空港ではCIQエリアの機能向上のための施設整備をはじめ、庁舎耐震対策、航空保安施設の老朽化更新などを予定する。
他にも地方空港等のゲートウェイ機能も強化するほか、先進的な保安検査機器の導入促進、空港の耐震対策・老朽化対策の着実な実施に取り組む。(おわり)