【インフラメンテナンス】 ドローン実用化へ官民が事例共有
2018/09/14建設時事
建設メール
インフラメンテナンス国民会議・革新的技術フォーラムの連続セミナーが14日に国土交通省で開かれた。今回はドローンによるインフラ点検・診断技術の開発・試行・導入に向けて国交省や自治体の取り組み事例を官民で共有し、ドローンの実用化と普及をさらに進めるために解決すべき課題や改善策を探った。
セミナーで国交省は、インフラメンテナンスへのドローン活用の将来像を説明した。まず河川管理では洪水や地震後の緊急・臨時の点検および調査で活用していることや、陸上水中レーザドローンの開発状況、全天候型ドローンの稼動実績などを紹介。今後は河道等の状況把握や平常時の巡視、許可工作物の適正管理において、ドローンの活躍が期待されるとした。
新技術の導入・活用に関しては、次世代社会インフラ用ロボットの実装に向けた今後の取り組みを説明。技術者による点検の充実や調書作成過程の効率化のため、ロボットやAI(人工知能)の社会実装を目指すとし、本年度はトンネル・橋梁の定期点検において従来点検の実施に合わせて、点検記録作成支援ロボットの活用を実施する考えを示した。3次元モデル上の正確な位置に写真と診断結果を蓄積し、経年変化の把握を容易にする。また点検AIの社会実装に向けて大量の「教師データ」の整備、民間のAI開発者への提供とAIの性能評価を行う仕組みとしてAI開発支援プラットフォームの運営を計画しているとした。
他にも自治体におけるドローンの活用では、神奈川県横浜市、千葉県千葉市、岐阜県各務原市、福島県が取り組み事例や課題を発表した。