【コンクリート工】 年度内に土木構造物設計ガイドライン改定
2018/09/26建設時事
建設メール
コンクリート工の生産性向上を図るため、現場打ちの効率化やプレキャストの進化などに取り組む国土交通省は、1996年に策定した土木構造物設計ガイドラインについて社会環境や技術・工法の変化を踏まえて本年度内に改定する。21日開催の検討協議会で関係者が方向性を確認した。新たなガイドラインでは、これまで検討を進めてきた現場打ちやプレキャストに関する要素技術の一般化、全体最適を図る手法などを設計思想に取り入れる。2019年度以降には実務者の手引きとして土木構造物設計マニュアル等を改定する。
要素技術の一般化の検討のうち、機械式鉄筋継手を用いた施工の生産性向上では、現場打ちコンクリートについて昨年3月にガイドラインをまとめたところ。プレキャストに関しては、継手を一断面に集めることに対する留意点を整理した上で、近くガイドライン案を作成する。ただし耐震上、地震時の挙動に対して詳細な検討を要する場所に関しては別途検討が必要となる。
大型プレキャスト製品の導入促進も進める考えで、プレキャスト採用率が低い、ボックスカルバート内空断面積約10㎡以上、L型擁壁高さ3m以上をターゲットとする。
また全体最適の導入を図るため、積算価格と地域性等を考慮しながら設計段階で一定規模以下のプレキャスト製品採用を前提とした検討手法の確立を目指す。
サプライチェーンの効率化の一環では、生コン情報の電子化に向けて試行工事に取り組む。本年度は日本建設業連合会の会員企業が施工する国交省直轄工事の4~5現場を対象とする見通しだ。