【成長戦略】 次世代インフラで革新技術を採用
2018/10/09建設時事
建設メール
新閣僚による政府の未来投資会議において、今後の成長戦略の方向性に関する検討が始まった。注目の施策では「次世代インフラ」があり、安倍首相は「道路・水道といったインフラについて、防災の観点も含め、AI(人工知能)やロボット・センサーを用いたメンテナンスを一気に実行に移していく」との考えを示した。同会議では集中的な議論を進めて年末までに中間報告、来夏には3年間の工程表を含む実行計画を閣議決定する。
次世代インフラについては「サステイナブル(持続可能)で強いインフラ」を目標に掲げ、道路・トンネル・橋梁・上下水道など全てのインフラ台帳をデジタル化し、点検・補修作業はAIやロボット・センサー等の革新技術を採用する。点検・診断、管理台帳、工事記録等のインフラデータをひも付けた維持管理支援情報システムを全国で導入することを検討している。センサー等で収集した利用頻度や損傷度などのデータをもとにメリハリの利いたメンテナンスも実施する。
またインフラの老朽化が進む中、自然環境の変化による災害の頻発を踏まえた防災の観点も含め国民の安全・安心の向上、インフラの長寿命化・更新、財政的にも持続可能なインフラ管理システムを実現させる。
民間の力を用いたインフラの効率的な維持管理も進める考えで、コンセッションなどの手法を拡大して、導入に取り組む自治体等の施設管理者にインセンティブを与える仕組みを検討する。
今後の検討項目では、インフラ分野ごとにロボット等の有望技術を現場実装することや、発注者等が安心して新技術を活用できるような点検ロボット・ドローンの安全基準の策定、技術職員が不足する中小自治体への支援体制などを掲げている。