【自民党品確議連】 災害復旧の入契ガイドラインを法規範に
2018/11/02建設時事
建設メール
自民党の公共工事品質確保に関する議員連盟の総会(根本匠会長)が2日に党本部で開催され、建設業関係8団体から災害対応や働き方改革に関する現状と課題について意見を聞くとともに、公共工事品確法改正に向けたプロジェクトチームの設置を決めた。業界団体からは国土交通省がまとめた「災害復旧における適切な入札契約方式の適用ガイドライン」について、法規範とすることを求める意見が相次いだ。
総会で日本建設業連合会は、災害対策基本法上の指定公共機関として応急復旧等の対応を行っていることを説明。また国交省のガイドラインについて、法令に基づく法規範に格上げすることで「国土交通省のみならず全国の自治体が規範とするようにしていただきたい」と求めた。全国中小建設業協会もガイドラインを法律に明記するなど「地方自治体においても活用できるように徹底を」と要望した。
全国建設業協会は、広域的な災害では二重、三重の指示が複数から出されて混乱することがあるとし「各行政機関が連携しながら一元的・包括的な指示に基づいた迅速な情報提供をいただければ対応が素早くなる」とした。さらに、今後も災害対応を行うためには資機材や人材の確保・維持が必要であるため「一定の事業量の確保が地域にも必要」と強調した。
建設コンサルタンツ協会は、災害対応に当たり広域からの重点的な支援を進めるための条件整備や、労働基準法改正を踏まえた時間外労働管理ルールの明確化を訴えた。
全国地質調査業協会連合会は、災害時の割増積算の地質調査業への適用、地質調査の早期発注、災害時の労働基準法の弾力的な運用を提案した。
全国測量設計業協会連合会は、災害査定業務における作業指示の統一化、緊急時に被災地域外業者の応援を受け入れやすくするため、交通費や宿泊費等の適切な対価の確保や契約方法の弾力的な運用が必要とした。
建設産業専門団体連合会は、災害対応の状況のほか、技能労働者の直用化や月給制などに取り組むとした5月の総会決議の内容を説明。全国建設労働組合総連合は、実態調査の結果を示した上で設計労務単価の引き上げが現場の賃金に反映される仕組みづくりを求めた。
今回、議員からは「コンサル、測量、地質調査はサービス業の分類から建設業に入れることが一番いい」「設計労務単価と実際に支払われている単価にかなり差がある。原因を調べ、しっかりと取り組んでほしい」などの意見が出た。
根本会長は、建設業界は地域の守り手であり担い手の確保が重要との認識を示した上で、業界団体の意見を聞きながら法改正などを目指すとした。