【道路施設定期点検】 二巡目は新技術を積極的に活用
2018/11/02建設時事
建設メール
国土交通省は5年に1度の頻度で実施している近接目視による道路施設の定期点検について、来年度からの二巡目点検に向けて検討する見直しの方向性を、2日開催の有識者審議会に示した。本年度で完了する一巡目の点検結果を踏まえた効率化・合理化に加え、点検支援新技術の積極的な活用を図る考えで、橋梁、トンネル、土工の分野別検討を行い、年内に定期点検要領の素案をまとめる。地方自治体など各道路管理者への意見照会を経て、年度内に新たな点検要領を策定する。
見直しの方向性としては、まず損傷や構造特性に応じた定期点検の着目箇所を特定化することで、点検を合理化し、歩掛りを設定する。また橋脚水中部の断面欠損、PC鋼材の突出、シェッド主梁端部破断といった特徴的な損傷の健全性をより適切に診断できるように、必携などの参考図書を作成する。
さらに橋梁の損傷写真やトンネルの変状写真の撮影、コンクリートのうき・はく離非破壊で検査する技術など近接目視を補完・代替・充実させる技術を活用するための環境整備も進める。
国交省が全地方自治体に対して実施したアンケート調査によると、点検業務はコンサルタントへの外部委託が約5割、都道府県の建設技術センターによる地域一括発注が約3割となっており、二巡目は「一部を職員で実施」と回答した割合が増加している。定期点検の積算への要望では、4割の自治体から形式や規模等に応じた細かな歩掛りの設定を求める意見があり、特に小規模橋梁や溝橋の設定に関する要望が多い。民間企業等が開発を進める点検支援技術を活用したいと考えている自治体は5割程度だった。