【災害時の契約方式】 工事は35都道府県で内部規則
2018/11/08建設時事
建設メール
災害時の建設工事、調査・設計業務に関して、都道府県で随意契約や指名競争を認めるなどの内部規則の策定状況を国土交通省が調査したところ、建設工事で35都道府県、調査・設計業務では26都道府県で何らかの定めを設けていることが分かった。調査・設計業務については災害時の状況による発注者の判断や建設工事を準用する考えの団体もあり、建設工事に比べて少なかった。
内部規則を定めていない理由としては、緊急の場合に随意契約を認める地方自治法施行令第167条の2第1項第5号により対応しているためという回答が多かった。
国交省が昨年7月に策定した「災害復旧における入札契約方式の適用ガイドライン」に関しては、39団体が内部部局へ周知している。管内の市区町村には、おおむね周知されているが運用までしているのは約半数だった。
ガイドラインの運用状況としては、発注機関への説明や市町村等への相談対応での活用している例のほか、国の内容を参考に独自のガイドラインを作成・運用している団体もある。
過去5年間における災害対応のための随意契約締結実績に関しては、建設工事で45団体、調査・設計業務では43団体で実績があり、緊急時には随意契約で対応している状況がうかがえる。
建設工事では、ほぼ全ての都道府県で建設業団体と災害協定を締結しており、半分以上で緊急時の点検や応急復旧等の内容が記載されている。
調査・設計業務では、多くの都道府県が測量業・建設コンサルタント団体と協定を結んでいる。公共施設等の被災状況の確認・調査の締結内容が多く、工事と同様に緊急時の初期対応が盛り込まれている。他にもUAVによる被災状況等の情報収集、技術的な助言、災害査定の設計・資料作成などを含む場合がある。