【長野発】 来年度から全参加者対象の抜き打ち審査/要件満たさぬ応札を防止
2018/11/20建設時事
建設メール
長野県は建設工事および委託業務の入札で、入札参加者全員を対象とした資格要件の抜き打ち審査を実施する。近年、落札候補者が要件を満たさず取り消しとなる事案が増加していることを受けた措置。対象は発注機関が案件内容を踏まえ選定するが、実績要件を設けたものが重点的に抽出されるもよう。適用は2019年4月の公告案件から。
方針は13日開催の県契約審議会で報告された。現在、受注希望型競争入札では、開札後に落札候補者のみ資格要件の審査を行っている。昨年度以降、審査の結果、落札候補者が要件を満たさないことが判明し、候補者の取り消しを行う事案が増加している。16年度は工事と業務合わせて4件だったが、17年度は10件に増加。18年度は10月末時点で10件発生している。要件を満たさない者が入札参加することは、落札候補者の取り消しや、候補者の再審査といった事務手続きに時間を要するとともに、適正な競争を損ねる恐れがあることから、これを抑制するため入札参加者全員を対象とした抜き打ち審査の実施を決めた。
実施案件は、その旨を公告文に記載。発注機関は事前審査項目の確認のほか、①有効な経審(建設工事)②業種登録要件(委託業務)③同種工事・同種業務実績④配置技術者の資格―について書類の提出を求め、審査を行う。要件を満たさない者が確認された場合は理由などのヒアリングを実施して警告する。2年以内に再度警告を受けた場合は入札参加制限が課せられる。