〈耳寄り〉 飛島建設が65歳定年制と柔軟な働き方を導入
2018/11/21コラム
建設メール
飛島建設(東京都港区)は働き方改革の一環として「在宅勤務制度」と「フレックスタイム勤務制度」を導入するほか、来年7月1日から65歳定年制に移行する。柔軟な働き方により労働時間短縮や生産性向上を目指すとともに、定年再雇用のシニア人材が安心して働ける〝トビシマ〟を実現させる。
65歳定年制では、満65歳誕生月の月末まで総合職・地域職の身分を継続し、65歳まで安心して働ける場を提供する。移行時の処遇は基本給を重視した賃金表を新たに設定し、年収ベースで60歳到達時の70%程度とする。また将来の人材育成も同時に進める考えで、若手の抜擢を積極的に進めて人材育成と人材活用を活性化させる。
在宅勤務制度は育児・介護、通勤負荷の大きい社員のために本年10月から導入した。3カ月の試行で利用した女性社員2人に加え、男性社員2人から育児や長時間通勤に対する申請も出てきている。さらに特例で在宅勤務を認めていた障害のある人を含む5人が利用しているという。
フレックスタイム勤務制度は、これまでの画一的な勤務形態を打破し、働き方に自由度を持たせ、各社員が効率的な時間配分を行うことで適正な労働時間管理を行い、社員の労働時間に対する意識改革を図るために導入を決めた。導入に当たっては導入部署内の個々の一日の業務内容と進捗状況の「見える化」を図る。導入対象は内外勤、契約社員を含む全社員とし、10時から15時のコアタイム、7時から10時、15時から19時のフレキシブルタイムを設定する。現在、モデル部署で試行を実施中で、来年2月から全社で導入する予定だ。
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働き方改革関連法の成立に伴い、建設業では5年の猶予期間を経て時間外労働の罰則付き上限規制が導入されることになり、早急な対応策が求められている。年金受給年齢の引き上げ、IT環境の進展などが進み、労働者を取り巻く環境は一昔前と比べて大きく変わった。多様な働き方を通じて優秀な人材が安心して働ける建設企業になることは、結果的に質の高い社会資本整備等につながる。各社が率先して独自の働き方改革に取り組むことを期待したい。