【月間アーカイブ・11月】 重要インフラは緊急対策へ
2018/12/04建設時事
建設メール
【11月のトピックス】
政府は27日、重要インフラの緊急点検結果と対応方策をまとめた。重要インフラがあらゆる災害時に機能を確保できるよう132項目にわたる緊急点検を行ったもので、安倍晋三首相は年末にかけて「防災・減災、国土強靭化のための3カ年緊急対策」を策定する考えを明らかにした。安倍首相は2018年度第2次補正予算の編成も指示しており、3カ年の緊急対策の初年度の対策として速やかに着手すべき費用を計上する見通しだ。
緊急対策では達成目標、実施内容、事業費等を明らかにする。また国土強靭化基本計画にも位置付けた上で、3年間集中で対策を実施する考え。財源は18年度第2次補正予算および19・20年度当初予算における「臨時・特別の措置」を活用する。
今回まとまった緊急点検結果および対応方策では、防災のための重要インフラ等の機能維持として大規模な浸水、土砂災害、火山噴火、地震・津波、災害対応に必要な基盤施設などを対象に今後の方策を示した。国民経済・生活を支える重要インフラ等の機能維持に向けては、電力等エネルギー供給インフラ、陸海空の交通インフラなどを対象に対応の方向性を盛り込んでいる。
緊急対策は3カ年計画だが、激甚な災害が相次ぐ状況を踏まえた国土の強靭化を考えれば長期的・計画的な対策の実施が必要であり、それに伴う安定した公共事業予算の確保が求められる。
【建設業でも外国人労働者受け入れ】
新たな外国人労働者受け入れのための在留資格を創設する出入国管理法改正案において、建設業も受け入れ対象業種になった。政府では建設業の受け入れ数は制度導入初年度が5000人から6000人、5年目までの累計は3万人から4万人と試算する。また現時点の人材不足数は2万人で、5年後は21万人の不足を見込む。
国土交通省が現在実施している外国人就労者受入事業は20年度末までの時限的措置となる。少子高齢化が進み、他産業を含めて人材獲得競争が激しくなる中、外国人労働者の存在は無視することができなくなってきた。課題があるとはいえ、建設業界としても真剣に考える時期に来ている。