【17年度業績】 売上・利益とも過去10年間最高/全国未上場建設業13・8万社
2018/12/05業界動向
建設メール
東京商工リサーチは全国未上場建設業13万8645社の「2017年度業績」調査結果を公表した。売上高合計は62兆5909億円(前期比2・2%増)で、リーマンショック発生の08年以降の10年間で最高を記録。また利益合計は1兆9588億円(同12・7%増)と、10年間で最少だった08年度(2159億円)の約9倍にまで伸びたとしている。
増加の要因は首都圏の再開発や東京五輪・パラリンピックに向けたインフラ整備など大型案件に加え、外国人客の増加でホテル建設等の民間投資も活発に推移したと分析。
未上場ゼネコンも選別受注やコスト上昇を織り込んだ発注が広がり、収益性が改善。当面は地場大手を中心に業績拡大が見込まれる反面、公共事業の偏りや材料費の高騰、人手不足などの懸念材料が顕在化しており、中堅以上のゼネコンと中小建設業者で「規模による二極化が拡大する恐れが出てきた」としている。
さらにオリンピック特需の恩恵を受けやすい東京近郊の都市部とそれ以外の地域で格差が広がることも懸念。こうした格差は好調な市況で吸収されているが、受注のピークアウト後は一気に噴出する可能性もあり、変化の兆しへの注視が必要との見方を示した。
業種別の売上高では、総合工事業が34兆4725億円で、前期(33兆5399億円)より9325億円増加(2・7%増)。11年度以降は7年連続で前期を上回り、10年間で最高となった。職別工事業(大工工事、鉄骨工事、塗装工事、内装工事など)は11兆4219億円で、前期(11兆1773億円)より2445億円増加(2・1%増)。設備工事業(電気工事、管工事、機械器具設置工事など)は16兆6965億円で、前期(16兆4941億円)より2024億円増加(1・2%増)。総合工事業と同様に11年度以降、7年連続で前期を上回った。
未上場建設会社の売上高トップは竹中工務店で1兆65億円(前期比5・3%増)で、唯一1兆円を超えた。大型工事が相次ぎ、工事進捗も順調で1兆円超えは2年ぶり。2位はフジタの4306億円。3位は旭化成ホームズで4067億円、4位は一条工務店で3560億円、5位は三菱電機ビルテクノサービスの3300億円の順。上位50社のうち、35社(構成比70%)が増収だった。