【国交省当初予算案】 19年度公共事業費は15%増の5・9兆円
2018/12/21建設時事
建設メール
政府の2019年度当初予算案が21日に閣議決定された。国土交通省予算は国費総額が6兆8609億円で、対前年度比1・18倍を確保した。うち消費税対応等として講じる臨時・特別の措置分が9393億円を占める。公共事業関係費は前年度比1・15倍の5兆9663億円で、一般公共事業費(5兆9112億円)は同比1・15倍、災害復旧費(551億円)は同比1・01倍となった。ほぼ横ばいが続いていた公共事業費は臨時・特別の措置を活用して行う「防災・減災、国土強靭化のための3か年緊急対策」などの費用が上乗せされ、大幅な増額を確保した。
また公共工事の施工時期の平準化等を図るため、国庫債務負担行為として2カ年国債で2098億7700万円を確保するほか、当初予算のゼロ国債で1095億2900万円を設定する。
19年度予算は▽被災地の復旧・復興▽国民の安全・安心の確保▽力強く持続的な経済成長の実現▽豊かな暮らしの礎となる地域づくり―の4分野を重点化。国土強靭化に向けて防災意識社会への転換を図りつつ、ハード・ソフトを総動員した防災・減災対策を進めるとともに戦略的なインフラ老朽化対策に取り組み、特に重要インフラの点検結果等を踏まえた緊急対策を集中的に講じる。
公共事業の効率的・円滑な実施に当たっては、適正価格での契約、地域企業の活用に配慮しつつ適切な規模での発注と併せて、中長期的な担い手の確保・育成等に向けた計画的な発注の実施による労働環境の改善、新技術やICT等の活用、適正な工期設定等による週休2日の実現など働き方改革に取り組む。
主な事業費では▽「水防災意識社会」の再構築に向けた水害対策に6030億円▽総合的な土砂災害対策に1281億円▽南海トラフ巨大地震・首都直下地震対策等に2521億円▽災害時における人流・物流の確保に4318億円▽将来を見据えたインフラ老朽化対策に4882億円▽防災・安全交付金に1兆3173億円▽効率的な物流ネットワークの強化に3699億円▽社会資本整備総合交付金に8713億円▽オープンイノベーション等によるi-Constructionの推進に33億円▽空き家、空き地、所有者不明土地等の有効活用に38億円▽消費税率引き上げに伴う住宅の需要変動への対応に2085億円―などを盛り込んだ。