【国交省2次補正予算案】 緊急対策に国費6323億円配分
2018/12/21建設時事
建設メール
政府の2018年度第2次補正予算案が21日に閣議決定された。国土交通省の予算規模は国費総額8915億円で、うち約7割に当たる6323億円を防災・減災、国土強靭化のための緊急対策に充てる。また国庫債務負担行為(ゼロ国債)には事業費ベースで757億円を確保。年度内に契約発注が可能になることで、平準化と効率的な執行を促進する見通しだ。
緊急対策の内訳は、防災のための重要インフラ等の機能維持に1803億円、国民経済・生活を支える重要インフラ等の機能維持に1701億円、社会資本整備総合交付金と防災・安全交付金による緊急対策に2819億円を配分。3か年緊急対策のうち初年度の対策として速やかに着手すべきものを計上している。
主な事業費は大規模な浸水・土砂災害等による被害の防止等に1547億9800万円を投じ、河川堤防の強化対策、かさ上げ、樹木伐採、掘削等のほか、土砂・洪水氾濫で被災する危険性の高い箇所を保全する砂防堰堤、遊砂地の整備などを実施する。
海岸関係ではゼロメートル地帯や重要な背後地を抱える海岸等のうち、緊急性の高い箇所で堤防かさ上げや耐震対策を進めるため75億6100万円を配分する。
重要インフラの緊急点検結果を踏まえた国土強靭化に係る調査研究等には49億9900万円。
土砂災害警戒区域等における地籍調査の緊急対策には29億7000万円を充て、市町村等が実施する調査を支援する。
また土砂災害等の危険性が高い幹線道路などで道路法面・盛土対策、土砂災害を回避する改良や道路拡幅などの対策には1266億3400万円。
全国の主要港湾におけるコンテナ流失対策や耐震対策等には306億2100万円を計上した。
交付金による緊急対策の内訳は、社会資本整備総合交付金が274億4400万円、防災・安全対策交付金が2544億7500万円となる。
緊急対策以外の防災・減災、老朽化対策への対応では、河川等の防災・減災事業に171億4800万円、道路の老朽化対策等に157億2000万円、都市の防災・減災事業に106億1000万円、防災・安全交付金に429億8400万円、国土強靭化・復旧復興を支える建設業の担い手確保に2億9000万円などを予算化する。
公共土木施設等の災害復旧には1051億1200万円を確保した。
他にも住宅需要変動平準化対策事業に8600万円、港湾の完全電子化の推進に6600万円などを予算化している。