【日々の栞】 新建設人は3Kを誇りに
2016/04/14コラム
日々の栞
▼駅や電車内で新社会人をよく見かけるようになっ た。まだ体になじんでいない新しいスーツに身を包み、楽しそうにしていたり、不安そうだったり、慌てていたり、必死に駅の案内を見ていたり、なんだか表情が豊かですぐに新社会人だと分かる。建設業界にも多くの新建設人が入ってきていることだろう
▼新建設人たちは、建設現場を3Kと揶揄(やゆ)する言い方があることを知った上で入ってきたのだと思うと心強い。最近は給料、休日、希望で新3Kとの言い方もあるが、むしろ従来の3Kにこそ誇りを感じてほしい
▼きついと言えば建設現場は、やはりきつい職場だ。夏は暑く、冬は寒い。天候にも左右され、工期間近は大変だ。残業も多ければ、休日出勤も当たり前になってくる。汚いのもそうだ。きれいなオフィスの職場と比べれば屋外の現場は、土や泥にまみれる。改修工事では天井裏や地下に入ることもある。とてもスーツではやれない仕事
▼そして、危険でもある。高所作業がある。重い資機材も使う。重機が動いていれば、電気やガスで溶接もしている。それだけ厳しいのが建設現場なのだ。しかしその厳しい中で、きちんと工期内に、無事故で、品質の確かなものをつくり上げていく。それがものづくりの面白さであり、建設業でのやりがいなのだ
▼新建設人は3Kと言われることを嫌がらないでほしい。建設現場は、そこで働くことができる能力がある人だけが入れる職場なのだ。大変なことも多いが、そうして苦労してつくったものが多くの人に使われ、社会の役に立っていることを誇りに思ってほしいと思う。(東京・HM)