【ゼネコン52社】 売上高は過去最高も減益/18年9月中間期業績
2019/01/31業界動向
建設メール
東京商工リサーチは上場ゼネコン52社の2018年9月中間期売上高が7兆70億円(前年同期比4・0%増)だったことを明らかにした。前年同期より2720億円増収し、過去10年間で最高を記録した。また「外国人雇用に関するアンケート」調査も公表。建設業で83・8%の企業が「人手不足である」と回答し、全産業の中で最も高い結果となるなど、業界が働き方改革や生産性向上といった課題と向き合いながら、人手不足にどう対応するかが鍵としている。
9月中間期は売上高が伸びたのに対し、利益は総利益が8636億円(同3・4%減)、営業利益が4505億円(同10・7%減)、経常利益が4808億円(同8・6%減)、四半期純利益が3476億円(同7・6%減)と軒並み減益となった。
これは労務費、資材費が高騰し厳しい収益となったため。リーマン・ショック後の10年9月中間期は増収16社、純利益の減益26社だったのに対し、18年9月中間期は増収33社(17社増)、減益34社(8社増)と、売上増が利益に連動しないことを示している。
中間期の各ランキングを見ると、売上高1位は大林組の9371億3800万円。前年同期より196億7500万円(2・1%)増加し、6年連続の首位。増収率の1位は大末建設の33・6%増 (232億8500万円→311億2500万円)。マンション建築が好調に推移、繰越工事の消化も進み大幅増収となった。売上総利益率が最も高かったのは新日本建設の19・1%(前年同期20・4%)だった。
一方、東京商工リサーチが昨年12月に発表した「外国人雇用に関するアンケート」調査(有効回答1万319社)では、建設業の83・8%の企業が「人手不足である」と回答し、全産業の中で最も高い結果となった。現在、首都圏では建設ラッシュだが、建設現場では建設技能者の不足や若年労働者の減少などが深刻さを増している。