【水道事業】 基盤強化の基本方針を6月公表へ
2019/02/07建設時事
建設メール
厚生労働省は、昨年の臨時国会で成立した改正水道法により国が定めることになった水道基盤の強化に向けた基本的な方針の検討に入った。専門委員会で検討を進め、6月にも厚生労働大臣告示として公表する。
策定に向けた主な視点では、水道の基盤強化に当たって事業の収支見通しを作成し、長期的な視点で計画的な更新や耐震化を進めるなど適切な資産管理を行う。水道の強靭化も重要な視点としており、平時から耐震化計画や事業継続計画などの策定が重要となるため、国が策定に向けた支援を実施する。また適切な維持管理には水道施設の点検と適切な維持・修繕による予防保全の実施が重要となることから、国はガイドラインなどを通じて効果的な点検等に必要な技術的支援を行う。さらに、長期的な資産管理の向上につながるよう、水道施設台帳の電子化と固定資産台帳の相互連動を推奨する。
厚労省がまとめた全国の水道施設更新費の推計結果によると、適切な維持・修繕を実施した場合に想定される2019年から38年の20年間における更新費は、年間平均で約1兆9000億円と試算する。
水道施設の耐震化状況は、17年度末で基幹管路が39・3%、浄水施設が29・1%、配水池が55・2%となっている。基幹管路は16年度比で0・6ポイント上昇したものの、耐震化が進んでいるとは言えず、水道事業者別でも進み具合に大きな開きがある。
管路の経年化も課題で、全管路延長67万6500㎞に占める法定耐用年数(40年)を越えた延長の割合は16年度の時点で14・8%。今後20年間で更新が必要な管路は1980年以前に整備された15万3700㎞で、全体の約23%に当たる。
なお厚労省と総務省は1月25日付で、水道事業の経営統合や施設の共同設置、事務の広域的処理など多様な広域化について都道府県を中心に具体的・計画的な取り組みを進めるよう、都道府県に対し22年度末までの「水道広域化推進プラン」の策定を求めている。