〈耳寄り〉 住友林業「W350計画」が世界の優れた不動産開発で最終候補に
2019/02/19コラム
建設メール
住友林業(東京都千代田区)が創業から350周年を迎える2041年を目標として計画する、地上70階建て高さ350mの木造超高層建築物を実現する研究技術開発構想「W350計画」が、世界で注目を集めている。世界の優れた不動産開発を表彰する「MIPIM AWARDS2019」のうち、未来に革新的な影響を与えるようなプロジェクトを表彰する「BEST FUTURA PROJECT」部門の最終候補(5件)に選ばれた。
MIPIMは世界の不動産・建築関係者が一堂に会する世界最大の不動産見本市で、来場者の投票を含めた最終審査により部門ごとの最優秀賞を決める。応募総数200件以上の中から最終候補に残った作品は11部門で45件。今年はフランス・カンヌで3月12日から15日まで開催され、約100カ国から2万人以上の関係者が来場する予定だ。
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同計画は全体構想を住友林業が手掛け、象徴となる350mの木造建築物の設計は日本設計が担当した。高層建築物の木造化・木質化と街を緑に変える環境木化都市の実現を目指し、建築工法、環境配慮技術、使用部材や資源となる樹木の開発など未来の技術で人と社会、地球環境に貢献していく考え。建築面積は6500㎡で延べ床面積に45万5000㎡を想定し、用途は店舗・オフィス・ホテル・住宅とする。構造は木鋼ハイブリッド構造で、内部は純木造となり、木材使用量に18万5000立方メートルを見込む。総工費には約6000億円を試算する。
最優秀賞の発表は3月14日。木造70階建てという前代未聞の壮大な計画に加えて、林業再生と地方の活性化にもつなげようとする新たな取り組みが、世界からどのように評価されるのか。結果が大いに注目される。