【登録基幹技能者】 地場ゼネコン、発注者の認知度低い
2016/04/22建設時事
建設メール
建設産業専門団体連合会(建専連)が初めて実施した登録基幹技能者の処遇に関するアンケート調査の結果がまとまった。登録基幹技能者に対する元請企業の評価については「評価している元請企業はない」が8割以上を占め、評価が高くないことが分かった。また、制度の認知度が発注者や地場のゼネコンで低く、「現時点であまり役立っていない」との意見が出るなど認知度の向上と資格を取得した企業が得をする仕組みが必要であることが浮き彫りになった。
登録基幹技能者への給与支払額(基本給+諸手当)は全体の中央値が40万円だった。地域別では関東が44万5000円と最も高い。支払い形態は月給制が約47%で最多となった。ただ資格取得後の特別な待遇について半数以上が「特に支給していない」と回答し、「資格手当を支給」している割合は約27%にとどまった。
今回の調査は厚生労働省が建設労働者確保育成助成金の内容を拡充し、登録基幹技能者の賃金などを向上させた企業に助成金を支給するのを前に状況把握を行ったもの。調査では「資格を取得させたい社員数」は5・6人となっており、社員としての登録基幹技能者は今後、増加の余地がある。
優秀な技能労働者として専門工事業団体の資格認定を受けた登録基幹技能者は、昨年12月末の時点で33職種、4万9145人いるが、公共工事において必ずしも活用されていないのが現状。建専連では「制度を広めるためには配置の義務化が必要」としており、国土交通省をはじめとする発注者に対して今後も要望活動を強化する。また、助成金の活用を通じて登録基幹技能者の処遇改善を進める考えだ。