【群馬発】 群馬県が地方版のi-Construction実施へ
2016/04/26建設時事
建設メール
群馬県は建設現場の生産性革命に向けた「群馬版i-Construction(アイ・コンストラクション)」の取り組みを明らかにした。◇ICT技術の全面的な活用◇コンクリート工の規格標準化など全体最適の導入◇施工時期の平準化-といった地方ができる建設現場の生産性向上の取り組みとなっている。特に施工時期の平準化では「月当たり施工量の平準化」という考え方を採用し、月ごとに同程度の稼働額となるよう発注時期を調整。また、群馬県型側溝検査の合理化も行い、工期の短縮を目指す。
県県土整備部では生産性向上策として2012年度から、全国に先駆けて発注時期や完成時期の平準化に取り組んできていた。毎月、同程度の工事量を発注することで、月ごとに工事量の浮き沈みが生じない環境を整える考え方だ。
本年度からはその考え方を進化させる形で「月当たり施工量の平準化」に取り組む。発注されている工事金額を工事期間で割って算出する日当たり金額を足し、毎月同程度の稼働額になるように発注時期を調整していく。例えば、500万円で工期50日の工事であれば、日当たり金額は10万円、3000万円で工期100日なら30万円となる。第1四半期で55%、第2四半期で75%、第3四半期で90%という発注率の目標を掲げつつ、毎年1000件を超える工事発注を通して、日当たり金額の合計が同水準になるように調整し、常に同じ施工量となるようにする。昨年度から実施してきた「フレックス工期による契約方式の試行」も拡充することで、受発注者双方の観点から平準化を促進する。
全体最適の導入に向けては、群馬県型側溝規格承認要領を試行する。これまで群馬県型落蓋式側溝と管渠型側溝は特殊製品という扱いで、工事で使う際に毎回検査をする必要があり、その分の時間や手間が生じていた。本年度からは申請があった製品について製造工場で検査を行い、一度合格すれば、以後3年間、その製品を使う場合は現場検査を不要とし、検査の合理化・簡素化を図る。
JIS製品を扱う際の品質証明資料も省略し、JISマーク表示状況を示す写真などの提示に簡素化。書類作成の手間を省き、全体時間を縮減し、生産性を上げる。
ICT技術については、従来から測量・設計、施工・検査、維持管理・更新までの全工程で活用してきている。図面などの情報を共有する「ぐんま電子納品システム」により、受発注者間の情報やりとりのベースが完成しており、県独自の「グレス工程管理システム」では工事完了日までの最適工程の管理が可能となっている。ICT技術を活用した情報化施工を採り入れた工事には成績採点の加点措置をするなど、ICTの導入促進も図っている。県では国土交通省やスーパーゼネコンによるICT技術の取り組みを今後、注視していく。