《連載①・総合評価工事成績を上げるには》 工事難易度高ければ、工夫の余地は『見栄え』と『安全』
2019/04/01特集企画/PR
冬虫夏草
工事成績を上げるためにはどうすればいいのかという声をよく耳にする。
工事難易度が高い場合、『施工管理の手引き』を熟知することが第一に大切なこととなる。Sクラス(特A)では少ないであろうが、Aクラスでは工事計画書すら不完全なものもある。
無論、発注者サイドの担当者において、工事計画書が提出された際にチェックするのが当然であるが、しばしば検査項目の不備が見逃され、施工完了時に写真管理ができてないことが判明し、工事成績が悪くなることがある。
本来は、最終的工事責任者は発注者であるから、発注者の初期チェックミスでもあるのだが、担当者は叱責を受け、工事成績は悪くなるという結果で落ち着く。
舗装工事が一部にあったにもかかわらず、温度管理がなされていないなどが代表的例となるだろう。
基本的問題はさておくとして、工事難易度の高い現場ではどうすればよいのだろうか。
工事難易度が高い場合の工夫の余地がある点は、『見栄え』と『安全』である。
コンクリート構造物の場合、竣工検査の時に補修跡などが明確にあれば、当然悪くなる。安全はどの業者も徹底していることから、目に見えて明確な差別化が図られていないと厳しいものがある。
コンクリート表面の仕上げは『薬剤』があるし、安全の強化などは足場の二重手摺化などがある。
いずれもお金をかけなければいけない事例であり、会社サイドが重点化して取り組む姿勢を明確にしてあげないと、現場サイドだけで判断できる問題ではない。
つまり、工事成績を上げるためには現場技術者だけに任せていれば、不確定になるということだ。
工事難易度も高いことから、この現場で表彰をも狙いたいというときは、発注者サイドにも意識させるよう、会社ぐるみでアピールする必要がある。
『足場の二重手摺化』などは、竣工検査の際には判らないため、発注者サイドの担当者に見に来てもらわなければならない。会社ぐるみでアピールしていないと、なかなか対応はしてもらえないのが現状だ。
寄稿者:冬虫夏草
長きに渡り、地方自治体における総合評価制度の実際の現場で評価に携わってきた
現在も総合評価制度を探究し、ゼネコンはじめ多くの建設企業から相談を受けている