《連載③・総合評価工事成績を上げるには》 安全対策では『見える化』と『システム化』
2019/04/15特集企画/PR
冬虫夏草
工事成績を上げるための安全対策はどうすればいいのか。前段で述べたが、安全の『見える化』と『システム化』だ。
二重手摺にしろ、コーン等の設置にしろ、『見える化』することにより有効になる。コーン設置を例に具体的にいえば、電線や私設設置の側溝など危険立ち入り制限区域には赤コーンに反射材、掘削場所には緑コーン、資機材等の一時保管場所には普通の赤コーンなどと区別化する。
このようにすれば、下請業者への指示及び注意喚起も容易になる。さらに、現場パトロールなどの際にも、正しく設置されているかどうかのチェックが容易で、現場代理人の安全に対する配慮が視覚化されている事になる。
事故はなくて当然というのが発注者の見方であるから、どう取り組んでいるのかが加点の要素になる。
これを、現場技術者に対する本社指導及び下請指導、新規入場者にたいする安全向上対策のシステムとしてアピールするべきである。工事成績に関しては、現場技術者まかせでは、なかなか全体の底上げはできない。
よい対策は、共有する必要がある。
どういう工夫が、どの事務所の担当者○○さんに気に入られたとか、どのような言い方をすれば正当に評価されるのかも共有事項である。
現場と営業・本社がギクシャクしていては到底いい点は望まれないと、技術者が理解すべきである。営業サイドも太陽光ソーラーの設置やハイブリッド重機の導入などを計画し、それが点数として繁栄するような活動を展開すべきである。
全国各県においては、低炭素社会の実現を目標に掲げている行政は多い。
県の方針に従う対策として、それらの機器を導入、県の方針に積極的に協力する見返りとして点数を加点してもらうというのは正当な行為である。
ただ、ある程度筋書きが出来ていなければ、経費の観点からメリットがない。
いずれにせよ個人の力量に頼った点数上げは、極めて難しく、会社ぐるみで取り組むべき問題であろう。
寄稿者:冬虫夏草
長きに渡り、地方自治体における総合評価制度の実際の現場で評価に携わってきた
現在も総合評価制度を探究し、ゼネコンはじめ多くの建設企業から相談を受けている