【日建連と関東整備局】 週休2日実現の環境整備へ意見交わす
2019/05/10建設時事
建設メール
日本建設業連合会(日建連、山内隆司会長)と関東地方整備局等との意見交換会が9日に行われた。自由討議では、週休2日の実現へ向けた環境整備、適切な工期設定と工程管理、業務の効率化推進、生産性の向上(コンクリート工)、品確法の適切な運用等について討議した。関東地区の各都県、政令市、関係機関の担当者のほか、東日本旅客鉄道、東京電力ホールディングス、日本ガス協会もオブザーバーとして参加した。
週休2日の関係では、日建連が労務単価のアップ、発注者指定型の採用、工事発注の平準化を要望した。これに対し、整備局は昨年度に週休2日指定工事を発注指定型で50件、受注者希望型で42件実施したことを説明、さらなる見直しを約束した。東京都からは本年度の起工案件から原則全ての土木工事を対象に週休2日制確保試行工事に取り組んでいることが説明された。
適切な工期設定と工程管理では、工期設定が「適切かどうか不明」4割、「適切ではない」2割という声が出ていることを日建連が報告。工程に影響を与える条件明示の徹底を求めた。整備局は、適正に契約変更がなされ、維持工事などを除き全ての工事で工事工程クリティカルパスの共有を実施すると答えた。
業務の効率化推進については、日建連が会員企業でICTツールの活用、業務の外注化、時間マネジメントを進めていることを伝え、発注者側に設計変更の円滑な手続き対応、変更時および工事書類軽減を訴えた。整備局は「工事書類作成限定型モデル工事」を拡大すると発言した。
コンクリート工の生産性向上では、日建連がプレキャスト化による工期短縮の事例を提示。整備局はプレキャスト採用について、予備設計段階で現場条件などに応じて比較検討を行っているとし、引き続きi-Constructionの一環として徹底していくとの認識を示した。
閉会に際し、山内会長は「週休2日確保をはじめとした課題に発注者の皆さまの取り組みが分かった。施工者として働き方改革の推進を加盟各社が率先していかなければならない。定着には時間がかかるが、できるところから進めていきたい」、石原康弘局長は「さまざまな意見を伺って、発注者側としてもやらなくてはならないことが多々あると再認識した。お互いの立場をおもんぱかりながら、取り組んでいくことが重要」とそれぞれ総括した。
日建連と各地方整備局等との意見交換会は、6月10日の北陸地区まで全9地区で開催される。