〈冬虫夏草〉 なるほど、なるほど
2019/05/14コラム
冬虫夏草
外国人労働者の受け入れが始まった。
看護、宿泊、外食は受け入れの為の試験が既に実施された。
今回の外国人労働者の受け入れは、オリンピックや大阪万博などを控え、労働者の不足を補うことの側面が大きい要素かと思えたが、よく観察すると違う見方もできることに気付いた。
労働者の受け入れを決めた業種は宿泊と外食を除けば、技能実習生で実施された業種となっている。
また、受け入れの際に行われる試験は技能試験と日本語試験であるが、いずれも付け焼刃で受かることが難しい水準であり、技能実習を問題なく過ごしたものだけは試験が免除されている。
さらに注目すべきは、今回受け入れ可能の上限人数は技能実習の実績とほぼ同数なのである。
今回受け入れは特定技能1号だが、5年間の期間の中で技術の現場における指導的立場に慣れれば、家族を呼び寄せることも可能になる。
つまり、全体の計画としては、技能実習を問題なく行った模範的外国人→技術の研鑽を行い会社・社会を支えることのできる人材→日本国籍取得という図柄であろう。
そうならば、明らかに新しい移民政策である。
前回行われた技能実習生制度は日本の技能を教えるという国際貢献の立場だったのだが、この時からこの図式を描いていたのだろうか。
しかも、今回は同じ業種の中での転職は可能となっている。労働者側にも選択権を与えているわけである。良い人材だけが残り、良い環境を用意できる会社だけが選ばれる。
ついでに、受け入れ機関には各省庁がOBを含め絡んでくる。
なるほど、なるほど。