〈こぼれ話〉 教訓は教訓
2019/06/28記者の目/論説
建設メール
国土交通省が設置した「道路の耐災害性強化に向けた有識者会議」による提言案の副題は「教訓は必ずしも万全の対策にはなり得ない」となっている。同会議の提言は、近年の主な災害で得られた教訓を踏まえて、今後講ずるべき施策を緊急的にまとめたもの。教訓を重視しているはずだが、その真意は「教訓に基づく範囲での対策さえ実施すれば大丈夫という考え方を捨てることが非常に重要」ということ。教訓は教訓として、当然ながら対策の処方箋を練る必要があるものの、それでは足りない。「異次元の気象状態」とも言える状況にある中で、大災害への備えに万全を期すためには、教訓の上を行くことが教訓ということか。〈K〉