〈冬虫夏草〉 国土強靭化計画
2019/06/03コラム
冬虫夏草
このほど、全国の砂防危険地域の調査がほぼ終了したことが明らかになった。
砂防調査が入り、砂防危険地域に指定されると、速やかに砂防対策工事を行う必要がある。
政府は平成30年12月に防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策を閣議決定し、内閣官房国土強靱化推進室において事業が推進される運びとなっていた。
緊急対策においては、防災のための重要インフラ等の機能維持として氾濫被害の危険性が高い約120河川で、堤防を強化、国民経済・生活を支える重要インフラ等の機能維持として、航空輸送上重要な7空港等のターミナルビルの浸水対策等、土砂災害等の危険性が高い約2000箇所の道路法面・盛土対策、道路拡幅等などを実施するとしている。
ただ、砂防工事は県が主体となるものが大部分で、予算措置に不安が残るが、国としては積極的に認可する運びとなるであろう。
国土交通省は、海岸堤防において数十年から百数十年の頻度で発生している津波を対象に設計津波高さを設定するとしている。
これは、南海トラフト沖地震を視野に入れたもので、一部裁判所から出た“未必の故意”(極めて蓋然性の高い災害が予想される場合、それに対して対策を行わないのは被害が出ても仕方がないという未必の故意が存在する)の認定も大きかったものと思われる。
気象庁は2017年にエルニーニョ現象が発生しなかったにもかかわらず、世界各地において異常高温が発生したと報告している。世界的にも異常気象による人的被害や経済的損失の大きさ、地理的広がりが大きくなっている事が指摘されている。広島や熊本において発生した大雨被害が全国に広がれば、経済活動に多大な支障が出るのは避けられない。
積極的政策というより、防衛的政策としても防災工事の進捗を図る必要があり、国においてもそうであるが、県においても予算措置を積極的に行ってもらいたい。