【台風19号】 赤羽国交相「洪水貯留で越水を回避」/八ッ場ダムも効果発揮
2019/10/17建設時事
建設メール
台風19号による記録的な大雨で多くの河川が決壊した一方で、越水を回避できた河川もあったことを受け、16日の参議院予算委員会で松山政司議員(自由民主党)が、赤羽一嘉国土交通大臣に治水対策の効果などを質問した。赤羽大臣は10時間にわたり氾濫危険水位を超過した利根川に関して、試験湛水を開始したばかりだった八ッ場ダム(群馬県)をはじめとする下久保ダム(群馬県・埼玉県)など利根川上流のダム群や渡良瀬川遊水地(群馬県)で洪水を貯留したことが越水を回避できた大きな原因だったと答弁した。
13日夜に関東地方整備局が埼玉県加須市で堤防から越水する恐れがあることを発表するなど、切迫した状況にあった。最終的には計画高水位にあと30㎝まで迫ったが「ぎりぎりのところで上昇が止まり、越水を回避することができた」と説明。八ッ場ダムを含む既設ダムで洪水調節容量の約6割を確保し「利根川流域の住民の安全な暮らしに大きく寄与するもの」とした。
八ッ場ダムは本格運用を前に10月1日から安全性確認のための試験湛水を始めたところで「まだ水位が低かったことから結果的には予定より多い容量の約7500万立方メートルを貯留することができた」とした上で「こうしたインフラ整備は防災・減災が主流となる安全、安心な社会づくりの根幹を成すものだと考えている。八ッ場ダムについては本年度中の完成に向けて引き続きしっかりと取り組んでいきたい」とした。
なお台風19号に伴う河川被害について、17日午前5時の時点で国および都道府県管理河川を合わせて20水系64河川で111カ所の堤防決壊が確認されている。