【契約約款改正案】譲渡制限特約違反の解除権は無催告解除
2019/11/11建設時事
建設メール
2020年4月施行の改正民法の内容を踏まえて、「建設工事標準請負契約約款」の見直し作業を進める国土交通省は、11日に中央建設業審議会(中建審)専門ワーキンググループの第5回会合を開き、改正案を提示した。前回までの議論を踏まえた改正内容のうち、催告による解除の関係では、譲渡制限特約に違反した場合の請負代金債権譲渡の解除権について「無催告解除でよいのではないか」との意見があったことから、指摘を踏まえて公共・民間約款ともに無催告の要件として規定する。
また担保期間の関係では、前回会合で「民法の消滅時効よりも短い2年の担保期間としているところ、その中で請求を行うために損害額の算定の根拠を示すところまで求めるのは発注者にとって酷なのではないか」との指摘が出たことを受け、「担保期間である2年(設備等については1年)の内に通知を行うこと」で足りることとした。一方、通知で足りることにした場合、民法の規定をそのまま適用すると、5年間請求ができる(主観的消滅時効)ことになるため、請求に関しては通知した後1年以内に行うことにする。ただし2年以内に請求した場合と通知をした場合を分けて規定し、通知をした場合には通知から1年以内に請求を行う必要があることを定める。
監理者の取り扱いに関しては、監理者の監理業務はあくまで発注者と監理者の監理契約によるものであり、建設工事は発注者と受注者の二者間の契約によるものであるため、その点が明確になるよう条文を修正する。また監理者の業務の規定についても、旧四会約款と表現を統一する。
今後は、年内にも中建審が改正約款を勧告する見通しで、20年4月から施行する。改正建設業法を踏まえた改正項目に関しては20年10月の施行となる予定だ。