【19年度政府補正予算】 国土強靱化関係全体で1・1兆円
2019/12/16建設時事
建設メール
政府が13日に閣議決定した2019年度補正予算案では、国土強靱化関係予算全体で1兆1520億円を投入するなど「安心と成長の未来を拓く総合経済対策」の実行に伴う国費に4兆3030億円を確保している。一般会計の追加予算額は3兆1946億円となり、総合経済対策に必要な予算を計上する一方で、既定経費や地方交付税交付金の減額を行う。
主要事業費のうち、災害からの復旧・復興と安全・安心の確保に2兆3086億円を投じる。自然災害からの復旧・復興の加速に6907億円を配分し、うち公共土木施設等の災害復旧等事業に4859億円を充てる。防災・減災、国土強靱化の強力な推進には8557億円を付け、河道掘削や堤防のかさ上げ・補強等の台風15号・19号を受けた治水対策に2437億円、雨水貯留施設等の整備による内水浸水対策に673億円、道路のミッシングリンク解消に898億円、無電柱化の推進に205億円、廃棄物処理施設の整備に483億円などを投入する。
国民の安全・安心の確保には7621億円を盛った。内訳は学校施設の耐震化・防災機能強化に964億円、矯正施設等の耐震化・老朽化対策に148億円など。
経済の下振れリスクを乗り越えようとする者への重点支援には総額9173億円を計上。中小企業生産性革命推進事業に3600億円、水田の畑地化・汎用化・大区画化等による高収益化の推進に946億円、地方創生の交付金に600億円などを盛り込んだ。
未来への投資と東京オリンピック・パラリンピック後も見据えた経済活力の維持・向上には1兆771億円を充当する。注目の事業費としては、ポスト5G情報通信システム基盤強化対策に1100億円、GIGAスクール構想の実現に2318億円、保育の受け皿整備に377億円、子育てフレンドリーな住宅・都市環境の整備に117億円、文化財の防火・防災対策に58億円を計上。生産性向上を支えるインフラの整備には1016億円を投じる考えで、道路・港湾等の物流ネットワーク整備に838億円、都市再開発の加速に178億円を配分している。