〈冬虫夏草〉 エネルギーミックス
2020/01/14コラム
冬虫夏草
世の中は益々電気的に制御されてきており、電気がない生活はもはや考えることができない。
それは、電気が止まれば、冷蔵庫の中身が腐っていくことやね25階の住居から階段を使って上り下りしなければならないというような次元ではなく。PCが止まり、企業の活動のみならず、行政や防衛が役にたたなくなることとなる。
日本では、福島における原子力災害もあり、長崎・広島の原爆投下もあったことから、原子力に対するアレルギーが強い。
政府が目指している2030年のエネルギー供給においては、自然エネルギー、天然ガス、石炭、原子力がほぼ同程度に占め、電気供給する計画だ。
コストを下げるためには、石炭が多くなければならないが、CO2排出量の削減目標26%減は到底達成できなくなる。
反原発の方々の意見を取り入れれば、自然エネルギーを増やせばよいという話であるが、事はそう簡単ではない。
自然エネルギーの大半を占める、水力発電や太陽光発電はそれぞれ季節や天気など自然条件に左右される。
ダムを利用した水力発電は、いつでも放流して発電できるわけではない、農業や工業用水の為の貯水も行わなければならないし、過度の放流は海水の塩分濃度の低下など自然に与える影響もある。
太陽光は夜間は行えないし、曇りや雨ならば、昼間でさえ極端に発電量が落ちる。
本当は石炭はCO2排出量が極端に大きいことから、自然界にとってはやめなければならないエネルギー源である。
無論、原子力や天然ガスにしろ資源である以上、枯渇の問題がある。
次世代エネルギーが決まるまでは、適切なエネルギーミックスを行ってほしい。
しかし、人類の進歩は目覚ましい。
日本が世界の最先端を走っている、核融合エネルギーは30年後には使用可能エネルギーとなるのではないかと言われている。
核融合反応は暴走せず、核分裂と比べて安全対策が比較的容易であるとされており、燃料となる重水素と三重水素を生成する原料となるリチウムは海中に豊富に存在するため、地域的な偏在がなく、資源の枯渇の恐れがない。
そのほかにも、発電の過程において、地球温暖化の原因となる二酸化炭素を発生しないとか、高レベル放射性廃棄物が発生しない、など利点は多い。
子供たちの時代には、安全で、できるだけクリーンなエネルギー供給であってほしい。
寄稿者:冬虫夏草
長きに渡り、地方自治体における総合評価制度の実際の現場で評価に携わってきた
現在も総合評価制度を探究し、ゼネコンはじめ多くの建設企業から相談を受けている