〈冬虫夏草〉 大国の良識
2020/02/04コラム
冬虫夏草
同氏は「一国二制度」に反対しており、中国の台湾併合に反対している。
現在の香港の状況を見れば、「一国二制度」の脆弱性は明らかであり、自由主義を減じしたい者にとっては、中国に組み込まれることは、自殺行為にも等しく思えるのではないだろうか。
一方、中国は「台湾地区の選挙は中国の一地方のことだ」と指摘、「台湾問題は中国の核心的利益に関わる問題であり、中国と国交を結ぶ国と台湾とのいかなる形の政府間往来に反対する」と強調している。
蔡英文総統の再選に対して祝辞を述べた、日本や米国に対しては、強い不快感を示している。
中国のNHK国際放送の蔡英文総統再選のニュース放送時には、画面がブラックアウトしたようである。中国怖いわ。
(そういえば、一部の新聞やテレビにおいて蔡英文を「さい・えいぶん」と言っていたが、本名は「ツァイ・インウェン」である。固有名詞である名前の呼び方を変えるのは如何なものであろうか)
米国はバグダッド国際空港で、イランのイスラム革命防衛隊のカセム・ソレイマニ司令官を米軍のドローン空爆によって殺害した。
カセム・ソレイマニ司令官を標的にした攻撃である。
同司令官はアメリカの宿敵であったかもしれないが、国際裁判所で犯罪者認定を受けている訳ではなく、アメリカが確信しているだけである。
これは国際法違反である『暗殺』とどう違うのであろうか。
さらに、アメリカはイランの報復予告に対して、報復の規模により文化的施設を含めた52カ所を攻撃の対象として表明していた。
これは、明らかに国連憲章、国際法違反であろう。
日本は法治国家である。世界も、概ね法治国家である。
民主主義は、効率で言うと悪い制度である。
選挙でえばられた首長が行いたい施策も、関連機関の理解を得て、議会を通さなければならない。マスコミに対しても説明責任がある。
どの様な施策も、「双方よし」は実現できても「八方よし」は実現できないのが現状だ。
しかし、その「隔靴掻痒」が歴史から示された知恵である。
中国が良識的であった事がどの程度あったかは定かでないが、国際間であって大国であるアメリカが良識を失っていると感じるのは、極めて危険である。
寄稿者:冬虫夏草
長きに渡り、地方自治体における総合評価制度の実際の現場で評価に携わってきた
現在も総合評価制度を探究し、ゼネコンはじめ多くの建設企業から相談を受けている