<建設女子・現場アルアル> 建築現場で働く女性ならではのちょっとした感動体験談
2020/02/05コラム
建設女子
建築現場で働くようになってまず感動したのは、女性としての自分ではなく個としての自分を見てもらうことができる点です。これまで私は全く異なる業界で働いていたのですが、女性だからという理由でよい経験も悪い経験もさせてもらいました。そのことに不満があったわけではないのですが、建築現場では女性だからという性別を持ち込まずに平等に仕事をさせてもらえています。それが不満になることもあるものの、個としての自分をしっかり理解して受け入れて仕事をしてくれるというのは、意外と感動したのを今でも覚えています。
仕事以外では女性だからとからかわれることもありますが、仕事中は男も女も関係なくお互いに命を預けて仕事をしている仲間としてみてもらえるのはとても嬉しいです。平等に扱ってもらえる職種というのは、なかなかないような気がしますね。ただいつでも性別に関係なく仕事をするというわけではなく、私が生理で調子が悪い時には察してフォローをしてくれたり女性には難しい仕事はさりげなく請け負ってくれることもありました。
そういう意味では多少は性別で見られていたこともあったんだなとは思いますが、それで嫌な思いをしたことはなかったです。
ほかにも建設現場で仕事をしていて感動した体験談としては、とある女性現場監督の話があります。私が建設現場で働くようになって間もない頃、とある現場の監督を若い女性が担当することになりました。ほかの現場で働いている人たちは全員40代から50代の男性ばかりで、20代後半の女性現場監督の存在には不満そうな様子だったのを覚えています。それでも女性の現場監督は気にする様子もなくきびきびと働いていました。たまに文句を言ったり抗議をしたりする職人たちにも、物怖じせずに対応していた姿がとてもカッコよかったです。
そうやって現場で指揮を執る女性の現場監督の姿は私にとってあこがれのようなものになりましたし、休憩時間に私に対して気さくに話しかけてくれたことが嬉しかったですね。数少ない女性の仲間が一時的にでも一緒にいてくれると心強かったです。そうして現場での仕事が続く中、時間がたつにつれて女性の現場監督と現場の人との間に確かな信頼関係が結ばれていきました。全員が監督の指示に文句なく従うようになっていましたし、休憩時間には現場監督と楽しく話をすることも増えていました。
女性の上司が徐々に現場で受け入れられていく姿はホッとする反面、上司が女性でもきちんと受け入れてもらえるんだという感動を味わうことができました。
寄稿者:建設女子(複数)
建設業に携わる女性のコラム。特に建設現場での出来事や苦労した話、嬉しかったことや発見したこと、不思議に思っていることなど、『現場あるある』を自由に発信してもらいます