
全国建設業協同組合連合会(全建協連)は25日、「仮囲いデザインコンテスト」の公開プレゼンテーションを霞が関ビルの東海大学校友会館で行い、審査の結果、ピクニック(専門学校東洋美術学校)を最優秀賞に選んだ。同作品は、東京駅近くの「新常盤橋プロジェクト・A棟新築工事」現場で採用され、3月上旬に着工し、5月にお披露目となる。また唯一の高校生グループ参加となったKEAN(長野県池田工業高等学校)は、入選と全国建設業協会賞のダブル受賞となった。
1次審査会を通過し最終審査に挑んだのは16グループ。プレゼンテーションに先立ち、来賓の小池百合子・東京都知事が「仮囲いも東京の風景のひとつ。それが若い世代の皆さまに彩られる事は嬉しい」と喜びを語った。
公開プレゼンテーションは15グループが行い、大きな模型を使ったりと各グループの力の入れようが目立った。2時間以上にわたる説明の結果、審査も難航したが最優秀賞1、優秀賞1、入選5、特別賞10作品が決定した。
選考にあたった古谷誠章委員長(早稲田大学教授)は「最優秀賞のピクニックは、建築物を食べ物に見立て、それを仮囲いがお弁当箱に例えるという、ユーモラスかつユニークであった。他の作品も創意工夫がなされていて、常盤橋の歴史を紐解こうとするもの、日本の良さをアピールしようとするもの、QRコード読み取りにより施設が見れるといった現代技術を取り入れたものまで多種多様だった」と寸評を述べた。
青柳剛・全建協連会長は「学生さんと委員の皆さんとのやり取りで、建設業はまだまだ工夫次第でいろいろ出来る。魅力ややりがいに繋がると実感した。今後実際の施工には委員長を中心に原設計を尊重しながら進めていく。今後もこういった仕掛けを続けていきたい」と総括した。
工事現場の仮囲いデザインを募集する「KOJICHUプロジェクト」のテーマは、『工事中と人々を結ぶインターフェイスを実現する』。施工中の現場の仮囲いを通して、建設業の魅力を発信していくことが目的で、学生の皆さんが様々な角度から考えたデザインを実際に実現させてみようという試み。
表彰は以下の通り。
【最優秀賞】▽ピクニック(専門学校東洋美術学校)
【優秀賞】▽Studio Horizontal Ⅱ(武蔵野美術大学)
【入選】▽4U(早稲田大学)▽北川丸(和歌山大学)▽KEAN(長野県池田工業高等学校)▽SAU(東京大学大学院)▽チームK(群馬日建工科専門学校)
【戸田建設賞】▽Hikagn(東京藝術大学大学院)
【三菱地所賞】▽ATELIER(和歌山大学大学院)
【滋賀県建設事業協同組合賞】▽屏風―BYOUBU―(長岡工業高等専門学校)
【群馬県建設事業協同組合賞】▽石川高専内田研究室(石川工業高等専門学校)
【宮城県建設業協同組合賞】▽Kawai Lab(京都府立大学)
【福島県建設業協同組合賞】▽62158.1132(芝浦工業大学)
【長野県建設事業協同組合賞】▽タカイヤマノウエ(芝浦工業大学)
【山口県建設業協同組合賞】▽(E)(東京大学大学院)
【鹿児島県建設業協同組合賞】▽青山製図専門学校住宅設計デザイン科Eグループ(青山製図専門学校)
【全国建設業協会賞】▽KEAN(長野県池田工業高等学校)