
建設キャリアアップシステム(CCUS)運営協議会の運営委員会が7日に開かれ、国土交通省が値上げ幅を圧縮した料金体系見直しの新プランを提示した。審査の合理化や簡素化などを考慮した収支計画の見直しにより、前回の提案から10年間の収支予測で50億円のコスト縮減を行った上で、技能者登録について2段階登録方式の導入を図るほか、事業者登録は2倍、現場利用料は現在の3円を10円に、ID利用料は月額換算800円に見直すとした。新たに提示された見直しの方向性や2段階方式の開始時期等については引き続き検討を進め、合意形成を図った上で10月からの料金改定を目指す。
6月に開いた前回の運営委員会では、CCUSの運営開始に伴い支出が増加し、赤字が膨らむ現状の収支を改善するため、登録費用に見合った利用料金体系への見直しに向けた財源対策案を提示したものの、関係団体からは見直し等を求める意見が相次いでいた。
国交省は、制度が持続可能となる収支予測を基に新たなプランを試算した。今回提示したプラン案によると、技能者登録は本人情報や社会保険等のみを登録する簡略型登録と、それ以外の全項目(保有資格、研修受講履歴等)を登録する詳細型登録を選択できるようにする2段階登録方式を提案。簡略型の登録料は2500円に据え置き、詳細型登録料は実費を考慮して決定するとした。開始時期は、2段階登録方式は2021年度早期とし、それ以外は20年度下半期からとする。
参加者からは妥当との意見があった一方で、業界全体でさらなる普及促進を図ることやカードタッチ率の向上、加入するメリットの打ち出しなどを求める声も多かった。
運営協議会会長の国交省不動産・建設産業局の青木由行局長は「今回のような課題が発生していることに国土交通省としては大きな責任があると思っており、さらなる普及活用に向けてできることを追及したい」とし、理解と協力を求めた。