〈冬虫夏草〉 近未来予想図
2020/04/14コラム
冬虫夏草
新型コロナウイルスの封じ込めはうまくいっていたが、ここにきて危うい局面を呈してきている。
原因は慢心であろう。
政府は学校閉鎖や大規模催事の抑制を要請したが、これはコントロールし易い課題に対して対処しただけで、国民活動のほとんどを占める民間企業活動の抑制に関しては躊躇している。
無論、それも仕方ないことで、日本を新型コロナウイルスが攻撃するのか、経済の疲弊が打撃を与えるのかという深刻な二者択一だからだろう。
東京都は都市封鎖までいかなくても、要請という戒厳令を発動する構えを見せているが、この方法は首都においては長期にわたって使える手段ではない。
政治と経済の中心地であり、日本国存立の中枢だからだ。
ただ、首都封鎖は、国民に対するプロパガンダとしての機能はある。
最悪のシナリオではあるが、新型コロナウイルスとの長期的戦いを鑑みれば、重症可能性対象者の保護・制御が最も合理的に思える。
軽症で済む8割の罹患者の行動を制限することによる、経済への打撃を考えると、逆に積極的に罹患してもらい、抗体を作ることにより、将来的なリスクを減らすことができる。
軽症患者にしてみれば、新型コロナウイルスもインフルエンザと変わらない。
インフルエンザが流行っているからと企業の活動抑制やコンサートなど一切行われないということがありえるのだろうか。
ましてや、日本はイタリアやアメリカ、中国と違い、国民皆保険で医療体制が整っている。対処療法で充分対応できるはずである。
東京都の爆発的感染は、あと1週間は予断を許さないだろう。
たとえ、一時的に好転しても、世界情勢を見ても、その緊張を緩めれば、再発しかねない。
病気は罹患することが怖いのではなく、重症化することが怖いのである。花粉症にかかるからと外出しないことを勧める政府などない。
重症化するリスクがない人の行動まで制限するのは、その制限による影響が大きすぎるのであれば、実施すべきではない。
これほど強い感染力を持ったウイルスに対する対処方法はこれまでと違った、対処方法になるのではなかろうか。
寄稿者:冬虫夏草
長きに渡り、地方自治体における総合評価制度の実際の現場で評価に携わってきた
現在も総合評価制度を探究し、ゼネコンはじめ多くの建設企業から相談を受けている