<税金豆知識> 建設業には、いろいろな種類の補助金がある
2020/09/24コラム
税金豆知識
建設業経営者の方は、日々資金繰りに苦労されていると思います。そんな経営者を少しでも助けようと、建設業には数多くの補助金が用意されています。補助金には国や自治体のものばかりでなく、一般社団法人などの団体が実施するものもあるのです。補助金の種類も従業員の雇用維持や受注する工事の内容によるものなど様々です。
雇用関係では、まず雇用調整助成金がある
建設業の場合、工事数の減少により受注が落ち込む場合も多いものです。そんな時従業員を解雇せずに休業や教育、出向させた場合に受給が認められます。受給するには様々な要件があるので当てはまるかどうか確かめないといけません。事前に労使間の協定が必要となっているので、経営悪化を想定し予め従業員と話し合って協定を結んでおく必要があります。従業員が身につけておくべき技能や知識についても、日頃からしっかり考えておくと良いでしょう。出向先は自社と関係が深いと雇用調整助成金は貰えないので、建設業以外の業種を出向先にするのが得策です。
建設業の従業員には建設事業主等に対する助成金がある
中小建設事業者の従業員には、建設事業主等に対する助成金があります。従業員が職業訓練や技能実習を受けたり、給与や資格手当を引き上げると経費や賃金を補助してくれる制度です。10種類ほどの必要書類をハローワークや労働局に提出して申請します。経費助成をするコースと賃金助成をするコースがあり、どちらに当てはまるかは労働局やハローワークに相談してみると良いでしょう。補助金は後払いで申請期限もあるので資金繰りや期日に注意しましょう。手続きが面倒な場合は、行政書士に依頼するのも一つの方法です。
高性能の住宅を建てた場合にもらえる補助金
一般社団法人環境共創イニシアチブが住宅断熱や次世代建材、蓄電池付きの住宅に対する補助金を実施しています。環境や省エネルギーの分野で技術革新を促すための補助金です。こういった分野で高性能の事業を受注している場合、補助金がもらえる対象かもしれません。この団体の補助金は様々な区分がなされているので、複数の分野で対象になる可能性もあります。環境や省エネルギーの分野に取り組もうと考えている建設業経営者の方は、この補助金も頭に入れておくとよいでしょう。
補助金の活用には準備が必要
建設業で活用できる補助金はいろいろとあるのですが、申請までにいろいろ準備が必要なものが多いのです。どんな補助金が活用できるのか予めしっかりと調べておく必要があります。補助金は無償で資金を与えるため、どんなものでも必ず細かい条件や期限があります。事前に利用できる補助金を把握しておき、申請の期日に間に合う状態にしておきましょう。
寄稿者:税理士
現役税理士が、融資に強い決算書とは?、合理的な節税方法とは?など、経理面・税金面の「読んでみて少しでもタメになる話」を寄稿